交通権ってなに? 画期的な法案が成立、私たちの生活はどうなる

JR西日本の和歌山線は交通権と縁が深い路線だ。国鉄時代の1991年、赤字ローカル線の割増運賃を不服とする利用者が裁判を起こし、日本で初めて交通権が争われた。原告の主張は「国民は、自らの生活をよりよく向上させ、ひいては住みよい国土を建設する手段としての全国的交通網を国家に対して要求する権利を持つものと解される。これは移動の自由(憲法第ニ二条第1項)、幸福追求権(一三条)、生存権(二五条1項)の集合であり、交通権と称することができる」。当時の判決はこの主張を認めなかった。(参照:国土交通省、PDF)