「紀土」を一流ブランドに押し上げた平和酒造 “最適解”でない渋谷で酒イベントを開催する理由

山本典正(やまもと・のりまさ) 平和酒造社長。1978年、和歌山県に生まれ。京都大学経済学部を卒業後、東京のベンチャー企業を経て実家の酒蔵に入る。大手酒造メーカーからの委託生産や廉価な紙パック酒に依存していた収益構造に危機感を覚え、日本酒業界にあっては他に類をみない革新的組織づくりをするとともに、自社ブランドの開発・販売に力を尽くす。一方で、全国の若手蔵元と協力のもと、日本酒試飲会「若手の夜明け」を立ち上げ、2011年から代表をつとめる。代表的な銘柄は「紀土」と「鶴梅」。「紀土 無量山 純米吟醸」はIWC(インターナショナルワインチャレンジ)2020で「SAKE部門(清酒部門)」の最高賞「Champion Sake(チャンピオン・サケ)」を受ける。2022年6月、東京・兜町にどぶろく醸造所&バー「平和どぶろく兜町醸造所」をオープン。また、ベトナム最大規模のクラフトビールメーカー「East West Brewing Co.」の日本酒蔵設立プロジェクト(ホーチミン市)に醸造技術提供の形で参画している。近著に『個が立つ組織 平和酒造4代目が考える幸福度倍増の低成長モデル』(日経BP)