Windowsフォーム開発者のためのWindows 10 UWPアプリ開発入門(後編) 「クラウド型」システムアーキテクチャ筆者の造語である。すでに適切な呼び名があるかもしれない。UWPは、このようなアーキテクチャを前提として設計されている。基幹サーバー群と一般のクライアントとはネットワークを分離し、クライアントとサーバーの間のやり取りには必ずWebサービス(=Web API)を介するようにする。クライアントのアプリはWebサービスのフロントエンドとして作成し、業務アプリでは情報の取得は必要最小限にとどめる。データを全件取得するといった「危険な」Webサービスを作らない限り、クライアントがサイバー攻撃を受けたとしても重要な情報が大量に漏えいするリスクは極めて低くなるだろう。また、重要な情報の印刷(例えばDM封筒の大量印刷)などのタスクも基幹ネットワーク側の物理的に隔離された場所で行うようにする。このような構成にすることにはもう一つのメリットもある。デバイスをまたいだユーザーエクスペリエンスを提供できるのだ。例えば自宅のPCで読んでいた小説や遊んでいたゲームの続きを、モバイルデバイスで行えるのである。逆にいえば、「モバイルファースト」時代に対応するアプリを作るには「クラウドファースト」なシステムアーキテクチャが必要になるのだ。 記事に戻る 山本康彦,BluewaterSoft/Microsoft MVP for Windows Platform Development