それは紙の再発明――「enchantMOON」製品説明会

なお、会場に置かれたデモ機は、試作段階ということもあって動作はかなり不安定かつ、技適の関係(申請中)からインターネット機能も利用できなかった。このため、製品版を触った印象とは大きく異なると思われるが、少しだけ気になった点を挙げておく。まず、試作機ではペンの追従がやや遅れ、ペンの動きが速いと入力が認識されなかった。また、パームチェックが甘く、ペン入力時にガラス面に触れた手が認識されてしまうことがあった。処理が追いつかないためか、文字を指で囲ったときのエフェクトがスムーズに表示されなかったり、システムが固まることも多い。もっとも、こうした点は製品版で改善される可能性はある(と信じたい)。ただ、そもそも手書きが起点になるユーザーインタフェースは、ユーザーがenchantMOONで何ができるのかを知るための「気づきのきっかけ」がなく(とりあえず目についたアイコンを押してみることもできない)、enchantMOONの操作方法をあらかじめ熟知していないと扱えないことにとまどった。製品コンセプトもデザインもプロモーションビデオも素晴らしいので、実際に出荷される製品も素晴らしいものであることを期待したい