路線バスや配達用バイクに搭載可能な全自動放射線計測システム 京都大学原子炉実験所の谷垣実助教らは、路線バスや配達用バイクに搭載できる小型サイズながらも、全自動で放射線量を計測できるシステム「KURAMA-II」を展示した。このシステムは、生活圏における空間線量率を継続的にかつ広範囲に測定する目的で開発されたもの。計測とデータ集録の機能を担うNIのCompact RIOに、浜松フォトニクスのCsl(ヨウ化セシウム)シンチレーション式放射線検出器「C12137」を組み合わせた。また、位置検出用に3G携帯電話通信/GPS受信モジュールも搭載している。外形寸法が34.5×17.5×19.5cmの筐体に収めており、路線バスの後部座席後方にある狭小のスペースにも設置しやすい。谷垣実助教によれば、このKURAMA-IIは約2カ月と短い期間で開発が完了した。前述の通りNIが提供するハードウェアプラットフォームを採用したため、従来機の「KURAMA-I」向けにLabVIEWを使って開発済みだったソフトウェアを再利用できたことが大きく寄与した。同大学では、このシステムをさらに小型化する取り組みも進める計画である。(クリックで画像を拡大)